私は新卒で大手グローバルに入社し、26歳で海外赴任を経験しました。海外駐在員としてアジア、北米、ヨーロッパ、アフリカなど世界中を飛び回って仕事をしてきました。
現在は駐在期間を終えて日本へ帰国しています。私自身駐在員として海外勤務をしてきた経験と、実際に世界各国で多くの海外駐在員とお会いし、この目で見てきた経験から、「海外赴任のメリット・デメリット」の両方を感じてきました。
そこで本記事では、これから海外赴任を目指す方に向けて、私が感じた海外駐在・海外赴任のメリット・デメリットを、実体験をもとに解説していきます。
この記事を読めば、海外駐在員として働くイメージがより鮮明に湧くと思いますよ。
3分ほどで読める文量なので、よければ続きをどうぞ。
Contents
海外赴任を通じて感じた「海外駐在のメリット」
- 待遇面がとにかく良かった
- 英語(語学)が身についた
- 市場価値が上がり、その後のキャリアに役立った
- 異国で生活すること自体が刺激的で楽しかった
私自身が海外勤務を経験する中で、感じたメリットは上記の通りです。
一つずつ、エピソードも含めてご紹介しますね。
待遇面がとにかく良かった
まずは何と言っても待遇面。待遇や環境は極めて良かったです。
海外駐在員の給与水準とは?【約1.8倍】
海外駐在員の年収は、日本にいる際の「約1.8倍」が相場です。
例えば私の場合は日本にいるときは額面で年収700万円でしたが、これが海外赴任をしてからは、年収1,250万円ほどになりました。およそ1.8倍です。
手取りになるとさらに増える【約2倍】
また、額面ではなく手取りになると、海外赴任の場合はさらに増えます。だいたい日本にいるときの「2倍」くらいが相場ですね。
例えば日本の手取りが30万円であれば、海外赴任中は60万円になる。こういったイメージです。
もちろん、この金額は業界や企業、赴任する国によっても様々です。ですが、海外駐在員になると、決して日本では実現できないような高給を目指すことができます。
実際、駐在期間中は数千万円単位でお金も貯まりましたし、早めに資産形成をしたい場合は、海外赴任は間違いなく大きなメリットになりますね。
海外駐在の年収面でより詳しい記事はこちら👇
英語(語学)が身についた
実践的な英語力が身についたことも、海外赴任を経験した大きなメリットですね。
当然ながら、海外赴任は英語漬けになる
「英語圏への赴任」を仮定して話しますが、海外赴任中は多くの場面で英語を使います。
自社の外国人スタッフとコミュニケーションを取るときはもちろん英語ですし、取引先の外国人スタッフと商談をする場合も英語を使います。
また仕事だけでなく、生活する上でも英語を毎日使います。家のことや買い物、病院など。海外で生活すると、旅行とはまた別で「生きるための英語」を毎日使います。
私自身は元々英語は勉強していましたが、それでも実際に海外に生活し仕事をすると、最初はなかなか慣れずに大変でした。でも日々実践を積んでいったことで、英語力は確実に上がっていきました。
また、他の海外駐在員を見渡しても、元々英語が全くできなかった方が、海外赴任での日々の生活や仕事を通じて、いつの間にか英語ぺらぺらになる事例はたくさん見てきました。
このように、海外赴任は現地で生活をする過程で英語力が身につきます。英語力はあらゆる場面で武器になりますから、若いうちから海外赴任を経験できて良かったと思っています。
海外駐在の英語面でより詳しい記事はこちら👇
市場価値が上がり、その後のキャリアに役立った
海外駐在を経験したことで、その後のキャリアに役立ったことも、海外赴任をして良かったことです。
実は私は、海外駐在後に別の大手グローバル企業に転職しました。より良い環境や条件を求めての転職でしたが、海外駐在経験があったことがプラスになり、無事に良い転職を実現できました。
特に日本は今後「少子高齢化」や「人口減少」が進みます。そのため多くの企業は、海外でビジネスを展開する上で欠かせない「グローバル人材」を欲しています。
そして、グローバル人材の中でも「海外駐在経験」がある人は高く評価されることを、私は転職活動を通じて、身をもって体験しました。
だからこそ、海外赴任を経験できたことは、自身のキャリアや市場価値においても、大きくプラスに働いていると感じます。
海外駐在員のキャリア面でより詳しい記事はこちら👇
異国で生活すること自体が刺激的で楽しかった
異国で生活すること自体の楽しさ自体も、海外赴任をするメリットだと感じています。
特に日本でずっと生まれ育った方にとっては、海外の知らない土地で、生まれも育ちも異なる人種の方々と共に生きる日々は、間違いなく刺激的かつ記憶に残る出来事となります。
私自身もまさにそうで、過去に留学したことはあったものの、海外で働くことや、より現地に根付き、現地の方々と協同して何かに取り組む経験はありませんでした。
そういう意味で、海外で働くことを実現できてよかったと思っています。
せっかく一度きりの人生ですから。狭い日本だけじゃなく、世界中を広く知り経験しても良いんじゃないかなと思います。
逆に、海外赴任を通じて感じた「海外駐在のデメリット」
一方、海外赴任はメリットばかりではなくデメリット、大変なことも多くありました。
海外赴任を通じて実際に感じたデメリットや大変なことも挙げていきますね。
- 異文化へ適応することが大変だった
- 日本との物理的な距離があり、気軽に日本へ帰れないこと
- 言葉面の慣れ
- 仕事面の大変さ(日本クオリティとの違い)
異文化へ適応することが大変だった
まずは異なる文化へ適応すること。事前から予想はしていましたが、これはやはり大変でした。
中でも「仕事に対する考え方の違い」は、駐在中に苦労したことの一つです。
例えば、海外赴任中は現地スタッフも巻き込みながら仕事をする必要がありますが、海外の方は仕事よりも「家族優先」の場合が多いです。
それはそれで良いことではあると私は思いますが、時にそれが行きすぎて、やらなければいけない仕事を完全に放棄し、家族との時間を優先することも実際にあったんですよね。
もちろん、仕事と家族どっちが大事かといえば、私は家族の方が大事です。こういったことには正解はないです。
ただ上記のように、「日本で築いてきた価値観」と「彼らが持つ価値観」は大きく異なります。だからこそ、彼らの価値観や文化を本当の意味で理解し、尊重することが、個人的には苦労した点です。
日本との物理的な距離があり、気軽に日本へ帰れないこと
海外赴任の場合、どうしても日本と物理的な距離が生まれます。そのため、気軽に日本へ帰れないことも、海外赴任のデメリットだと感じました。
例えば駐在期間中に日本の家族が病気になってしまっても、気軽に帰ることはできません。
実は私も、駐在期間中に祖父が体調を崩してしまいましたが、その期間に日本に帰れなかったことが個人的には辛かったですね。最終的に、祖父は他界してしまいました。
私個人としては、海外赴任は多くのメリットがある一方、日本と物理的な距離は、個人的には一番デメリットだったなと感じています。
言葉面の慣れ
先ほど少し挙げた「言葉面」の慣れも、海外赴任で大変だったことの一つです。
幸い私は英語圏の国で、かつ英語を元々勉強していたため、そこまで大きな苦労はしませんでしたが、周囲の駐在員で英語が苦手な方や、英語圏ではないブラジルや中国などに赴任した駐在員は、慣れるまでは大変そうでした。
前述通り、言葉は一度慣れてしまえば大きな武器やメリットになる一方、海外勤務に慣れるまでの大変さは、どうしても存在しますね。
仕事面の大変さ(日本クオリティとの違い)
また、仕事面の大変さも、海外赴任中はかなり感じました。
具体的に言うと、日本クオリティとの差です。
海外の仕事の品質を経験してわかりましたが、日本の仕事の品質は間違いなく、世界中でもトップクラスです。
特に「仕事の正確さ」については、日本の品質は本当に素晴らしいと思います。
例えば納期が決まっていることは、日本だと当たり前に納期前に仕上げますよね。
でも海外だと、納期はあってないようなものです。それでもクライアントは日系顧客の現地法人も多いため、日本クオリティは求められます。
海外で日本並みの品質を担保することが個人的には苦労しましたし、大変なことでした。
海外駐在員になって良かった?【結論、良かった】
海外赴任になってメリット・デメリット両方とも感じましたが、それでも私は、海外赴任を経験できて良かったと思っています。
例えば、これから人生を生きていく上での「お金」の面は、海外赴任中に相当な金額が貯まりました。そのおかげもあり、人生の早い段階から、自分のやりたい仕事にチャレンジすることも今ははできています。
また「英語力」や「転職力」が身についたことで、自分が選べる「人生の選択肢」も広がりました。
さらにいえば、海外に暮らし生活したことで、日本だけでなく「世界のどこか」で生きて働くことも、現実的な選択肢として持つことができるようになりました。
お金やスキル、経験の面でも海外赴任中に培ったものが多くあるからこそ、様々な生き方や働き方を実現できるようになったんですよね。
だからこそ、もし仮に私がもう一度学生に戻ったとしても、間違いなく海外赴任を目指します。
それほどまで、海外赴任を経験してよかったと感じています。
結論:海外赴任はデメリットよりもメリットの方が圧倒的に大きい
ということで海外赴任はメリット・デメリットが両方あるものの、メリットの方が圧倒的に大きいです。
そのため、海外赴任を目指そうか悩んでいる学生さんや、海外赴任できるチャンスが近くにあるけど迷っている駐在員候補の方は、ぜひ一歩を踏み出してみて欲しいなと思います。
最後に、海外赴任は決して優秀な方でなくても、実現することは十分可能です。事実、海外駐在員を多く輩出している会社は世の中にたくさんあるからです。
そういった会社に入ることは難しく感じるかもしれませんが実はそうではなく、超大手以外は難しくないです。そのため、誰でも計画的に準備し、行動していけば、海外駐在員になることは可能です。
海外赴任をするための具体的な方法は「海外駐在員になるには?元駐在員の私が実践した、現実的な海外赴任の実現方法をご紹介」で解説しています。海外赴任を目指したい方は参考にどうぞ。
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