私は新卒で日系大手グローバル企業に入社し、26歳で海外駐在を経験しました。
海外駐在としては世界中を飛び回って仕事をしていたことから、その経験もあり、多くの海外駐在員のリアルをこの目で見てきました。
また、海外駐在員の頃から自身の市場価値チェックのため、転職活動は長いこと行ってきました。20社以上の転職サイトや転職エージェントを利用し、帰国後には別のグローバル企業へ転職できたことで、駐在員の転職事情についても深く理解できました。
そのような経験があるためよく聞かれるのは、「海外駐在員になるにはどうすればいいの?」ということ。世界中を飛び回り、待遇もよく、やりがいもある海外駐在になりたい人は、今の時代とても多いんですよね。
結論からお伝えすると、海外駐在員を目指すためには「取るべき方法」が明確にあります。その方法通りにきっちり行動していけば、誰でも海外駐在員になることは可能です。
また逆に、海外赴任を目指す上で取ってはいけない行動も存在します。この点は本当に気をつけるべきです。
そこで本記事では、海外駐在員を高い確率で現実のものとするために知っておくべきことや具体的な方法を、私自身の経験を踏まえてご紹介します。
大丈夫です。本記事で述べている正しいステップを踏んでいけば、海外駐在員になることは可能です。
だからこそ、記事を通じてまずは正しい知識を身につけましょう。5分あれば理解できる内容なので、海外駐在員になりたい方のみ、続きをどうぞ。
Contents
海外駐在員になるには?条件は新卒、中途など状況によって変わる
結論、あなたの今の状況によって変わります。
例えば、あなたが新卒(学生)なのか、それとも社会人なのかによって、求められる条件は変わるということです。
では実際に、新卒と社会人だと求められる能力や条件はどのように変わるのか、結論、以下の通りです。
- 新卒の就活の場合:非言語のコミュニケーション能力などが重視される
- 社会人の転職の場合:スキルや経験などが重視される
それぞれ比較紹介します。
新卒(学生)の就活の場合:非 コミュニケーション能力などが重視される
海外駐在員を多く輩出するグローバル企業へ就活の場合、経験やスキルはあまり求められません。
それよりは、コミュニケーション能力やリーダーシップなどの分野が求められる傾向が強いです。
そのため、例えば部活でキャプテンをしていた方など、何かの組織を引っ張ってきた経験がある方が、採用されやすいですね。
一例を挙げると、海外駐在員が多い業界の筆頭が「総合商社」ですが、実際に私の知り合いにいる商社マンの多くは、部活でキャプテンをしていたり、あるいはサークルを立ち上げていたりと、リーダー気質がある方が多かったですね。
このように、スキルよりはタイプ面が重視されるのが、学生の就活の場合です。
経理や技術系職種は事情が異なる
とはいえ、逆に経理などの「管理系」、自動車関連エンジニアなどの「技術系職種」の方の場合は、特段コミュニケーション力が高くない人でも、駐在員は多かったです。
なので、一概にコミュニケーション力が必要かというとそうではなく、営業系の仕事であればコミュニケーション能力は比較的求められやすく、営業系でない仕事はそこまで高いコミュニケーション能力は必要ない、ということです。
つまり、企業側としても一律コミュニケーション力が高い人だけを採用するのではなく、論理的思考力に優れたり、冷静に物事を進められる人を採用するなど、バリエーションをつけていふことが実情です。
そのため、どんな方でも海外駐在できる可能性はありますね。
社会人の転職の場合:スキルや経験、語学力が重視される
一方社会人の転職でグローバル企業を目指す場合は、その仕事に関するスキル、知識、経験といった専門性や、あるいは語学力といったものが重視されます。
もちろん、コミュニケーションなどタイプ面がも面接を通じて見られます。それでも中途の場合、年齢を重ねれば重ねるほど、スキルや経験といった部分の方が比重は高くなることが一般的です。
22〜25歳くらいの第二新卒の扱いは「新卒寄り」
一方社会人といっても、まだ経験の浅い「第二新卒層」の場合、扱いは新卒と似ています。
そのため、その分野の経験やスキルがなくても、海外駐在機会が多いグローバル企業への転職は実現可能です。
具体的にいうと、22〜25歳くらいの方は、新卒と同じような枠でグローバル企業へ転職することも狙えますよ。また最近は売り手市場のため、この年齢のUPPERも広がってきています。
このように、経験やスキルがない転職をする場合は「年齢」こそが最大の武器となるため、もし駐在員を目指したいなら、今すぐにでも行動することがポイントになりますね。
「新卒の就活」と「中途の転職」の違いは配属先コントロールができるかどうか
もう一つ知っておくべきことは「新卒」と「中途」の配属の違いです。これが大きな違いです。
こちらもそれぞれ比較しながら紹介しますね。
新卒の就活は「人事採用」が多いため、配属コントロールがしづらい
新卒の就活の場合、基本的には配属コントロールはできません。
なぜなら前述通り、特定のスキルが評価されて入社しているわけではなく、コミュニケーション力など「ポテンシャル面」を評価され、入社しているからです。
そのため新卒の場合、人事が入社者の適性を判断し、それぞれの部署に配属することが一般的です。
これによって起こり得ることは、「海外駐在がしたくてグローバル企業に入社したのに、配属先が駐在できる部門じゃなかった」ということです。つまり、入社時点で駐在の道が遠のいてしまうんですよね。
例えば私が新卒で入社した会社は、一応世間でも名が知れている日系グローバル企業であり、大半の方が海外駐在を経験する会社でした。
それでも、新卒で人事部や総務部、IT関連の部門に配属された人は、未だ駐在員にはなれていない現実があります。
あまり知られていないかもしれませんが、日系企業の駐在員で多い職種は「営業」や「経理」です。ですから、営業部や経理部に配属されることが、海外駐在員になるためには一番の近道なんですよね。
とはいえ、大企業の配属は自分一人でコントロールできるものではありません。ですから、これはもう運だと思うしかありません。
運悪く、仮に最初の配属が駐在から遠い部門だったとしても、そこで結果を残しつつ、周囲に自分の希望をアピールすることで、20代後半で海外駐在を勝ち取った方も私の周囲に実際いますから。
このように、配属ガチャは一定あるとはいえ、それでも克服できる問題でもあります。
中途の転職の場合は「部門採用」が多いため、配属先をコントロールしやすい
一方中途の転職の場合、人事ではなく、部門毎の採用が多いです。
そのため、配属先のコントロール自体が圧倒的にしやすいメリットがあります。
例えば、あなたが海外営業をやりたくて転職活動をし、実際に内定が出た場合は、基本的には海外営業の部門に配属となります。
ここで「やっぱり君は人事部ね」ということは、中途採用の性質上起こりづらいんですよね。
このように、新卒と中途では、性質に違いがあります。まあどちらも海外駐在ができる企業への就職・転職は目指せますのでご安心ください。
今度は実際にどう行動していけば駐在員を最短で目指せるのか、その方法を紹介していきます。
海外赴任・海外転勤したい方が海外駐在員になるには?実現方法は2つ【海外勤務できる企業も紹介】
- 日系大手グローバル企業へ就職・転職する
- 海外事業を展開している日系ベンチャー・スタートアップ企業へ就職・転職する
結論、方法は大きくこの2つです。
それぞれ解説しますね。
1. 日系大手グローバル企業へ就職・転職する
1番、日本人の多くが海外駐在員になっている方法はこちらです。
現時点では、この方法こそが、最も海外駐在員になりやすい方法ですね。
だからこそ、海外赴任を実現したいあなたがまず考えるべきことは、日系グローバル企業へ入ることです。
海外赴任・海外勤務ができる日系大手グローバル企業ってどんなところ?
では、具体的にどのような業界、企業にはいれば、海外駐在員になれるのでしょうか?
私が実際に世界各国で見てきた海外駐在員が多い、海外勤務ができる業界・企業の一部を抜粋すると以下の通りです。
総合商社(三菱商事、住友商事、三井物産、伊藤忠商事、丸紅、豊田通商、双日など)
自動車メーカー(トヨタ自動車、日産自動車、ホンダなど)
自動車部品メーカー(デンソー、アイシン精機、豊田自動紡機、住友電装など)
電機メーカー(SONY、パナソニックなど)
金融系(三菱UFJ銀行、三井住友銀行など)
航空会社(ANA、JALなど)
海運会社(日本郵船、商船三井、川崎汽船など)
物流会社(日本通運など)
実際に業界や名前を挙げると上記の通りです。どの業界、企業も、たくさんの海外駐在員を毎年のように輩出しています。
私が駐在員になった方法もこちらですが、再現性は高いです。前述通り、いまは売り手市場ですし、しっかり対策さえすれば、これらの企業は入社することは難しくありません。
だからこそ、まずは海外駐在員になれる、海外勤務できる企業へ就職、転職を目指すことが、あなたがまずやるべきことですね。ここまでくれば、海外転勤は現実的になります。
日系グローバル企業へ転職する方法
社会人の転職の場合、海外駐在をたくさん輩出している「日系グローバル企業に強い転職サイト・転職エージェント」を利用することが必要です。
実際に私が利用したときも、海外駐在員を輩出しているグローバル企業の求人を抱えている転職エージェントと、逆に抱えていないエージェントがありました。だからこそ、前者のような、海外駐在員を輩出しているグローバル企業に強いエージェントを使うことが、駐在員になるためのキーです。
参考までに、私が実際に使って良かった転職サイト、転職エージェントを挙げておきますね。
海外駐在員を輩出しているグローバル企業に強い転職サイト・転職エージェント
- JAC Recruitment【海外駐在経験者は特に優遇されるハイクラス転職エージェント】
- doda X【パーソルキャリアが運営するハイクラス専門の転職サービス】
結論、上記の通りです。
海外駐在員を輩出しているグローバル企業を見つけたい場合、JAC Recruitmentとdoda Xがおすすめです。
JAC Recruitmentは、日本でもトップクラスに求人の質が高いサービスです。私も多くのグローバル企業と出会うことができ、転職も叶いました。
doda Xは、パーソルキャリアが運営するハイクラス専門の転職サービスです。海外駐在を将来的に目指せる日系大手グローバル企業を中心に、さまざまな求人が見つかるサービスです。
迷ったらこの2社に登録し、将来的に海外駐在員を目指せるグローバル企業を探せば間違いありません。いずれにしても登録しないと紹介を受けられないので、まずは登録を済ませましょう。
海外駐在案件や求人のスカウトも届くようになり、有利に選考を進めることができますよ。完全無料で登録・利用できるので、安心して使ってみてください。
公式サイトはこちら
- JAC Recruitment【海外駐在経験者は特に優遇されるハイクラス転職エージェント】
- doda X【パーソルキャリアが運営するハイクラス専門の転職サービス】
2. 海外事業を展開している日系ベンチャー・スタートアップ企業へ就職・転職する
もう一つ、数としては多くないものの、海外事業を展開する日系ベンチャーやスタートアップに入ることも、選択肢としてあります。
例えば私が駐在員をしていたときは、インターネット系のベンチャー企業から海外駐在員としてマレーシアにいた方などを知っています。
私自身、転職活動をしている中で、意外と多くのベンチャー、スタートアップからスカウトをいただきました。「こういった企業もあるのか」と、新たな発見にもつながりましたね。
ちなみにこれらのベンチャーやスタートアップも、先ほどご紹介したJAC Recruitmentやdoda Xであれば紹介してもらえます。
海外駐在員になりたい人がやってはいけないNGなこと
それは、外資系企業の日本法人へ就職、転職することです。
一見海外に行けそうな気がしますが、実は海外駐在するには最も遠いやり方なんですよね。
外資系企業の日本法人は、数ある拠点のうち一つに過ぎない
上記の通りで、外資系企業の日本法人や支社は、数ある拠点の一つに過ぎません。
例えば、トヨタ自動車は世界中に拠点を作ってはいます。実際に多くの日本人が海外駐在をしています。
ですが、世界各国の拠点の人材が日本含め別拠点に赴任しているかというと、いるにはいるのですが、残念ながら数は少ないです。
トヨタ自動車でさえそういう状態なんです。つまり、ほどんどの企業においては、本社がある「本国以外の人間」には、海外で働くチャンスはあまり開かれていないんですよね。
もちろん、外資系企業から海外駐在をしている人もいますよ。例えば金融系て駐在をしている人は私は多く見てきました。ですが、狭き門であることはまぎれもない事実です。
だからこそ、普通の人が海外駐在を目指すなら、日系企業に入り、海外赴任する形を取った方が確実です。
海外駐在員になるために今日から始めるべきこと
- いまの仕事で実績を残す
- 英語を勉強しておく
- 転職サイトや転職エージェントに登録しておく
述べてきたことを踏まえて、これからあなたがやるべきことは3つです。それぞれ解説しますね。
1. いまの仕事で実績を残す
どんなことでも良いのですが、面接で語れることを一つでも増やしておくと良いです。
成果の大きさよりは、どう考え、どう取り組んで、どのような結果に繋がったかという「プロセス」をしっかり語れることが、面接突破のポイントですね。
転職エージェントと話していても、自分の仕事を構造化して説明できる方は市場価値が高いと仰っていました。
なので、転職するまでの間は、いまの仕事で語れることを一つでも増やせないか?という観点で仕事に取り組むと良いですね。
そうすれば、グローバル企業への転職においても、高く評価される人材になれますよ。
2. 英語を勉強しておく
海外駐在員になるなら、英語は必ず勉強しておきましょう。
南米など一部地域を除き、英語は基本的にどこでも使えます。駐在員になって英語で苦労する方は見ていて本当に多かったです…。
ですから、いまのうちから英語は勉強しておくことで、楽しい海外駐在員ライフを送ることができますよ。
海外赴任前の英語勉強法に関して
海外駐在前にオススメな英語勉強法は「海外駐在員に必要な英語力と勉強法を、元駐在員が実体験から紹介【リアルを語る】」でご紹介しています。
3. 転職サイトや転職エージェントに登録しておく
1番大事なことはコレ。どれだけ海外で働きたくても、どれだけ海外駐在員になりたくても、どんな案件があるか把握していない限り、駐在員にはなれません。
前述した転職サイトや転職エージェントであれば、非公開になっている求人含め、国内に存在する駐在員案件を広く網羅することができます。
前述通り、登録し希望さえ伝えておけば、自分に合った求人が出た際は知らせてくれますし、スカウトも届くようになります。つまり、情報収集を効率的、かつ質高くできるんですよね。
登録は面倒かもしれませんが、1社あたり5分もあれば終わります。
この一手間はかけるかかけないかで、この先数十年の人生が大きく変わりますから、面倒くさがらずに登録だけは済ませておきましょう。
海外駐在員を輩出しているグローバル企業に強い転職サイト・転職エージェント
- JAC Recruitment【海外駐在経験者は特に優遇されるハイクラス転職エージェント】
- doda X【パーソルキャリアが運営するハイクラス専門の転職サービス】
結論:海外駐在員は正しくステップを踏めば、誰でもなれるチャンスがある
最後に、海外駐在は遠い存在かもしれませんが、正しくステップを踏んでいけば、誰でも目指せます。
控えめにいっても、海外駐在員は良いですよ。給料は日本の倍以上になり年収1,000万円以上は固く目指せますし、税金が少ないため、手取りで月60〜80万円以上もらうことも普通の駐在員で実現できます。
また、豪華なマンション、車、お手伝いさん、日本への帰省費用なども特に大手であれば大半負担してくれますから、お金は本当に貯まります。数年で数千万円単位で貯まるのは、外資系金融などを除けば、海外駐在員が筆頭だと思います。
そんな未来は、ちゃんと行動していけば、実は地続きの場所にあるんですよね。
海外赴任したいとただ願っていても、一向に人生は変わりません。だからこそ、まずは行動を起こすことが必要です。起こすべき行動は、今回紹介した通りです。
記事で紹介したおすすめの転職サイト・転職エージェント
- JAC Recruitment【海外駐在経験者は特に優遇されるハイクラス・エグゼクティブ向け転職エージェント】
- doda X【パーソルキャリアが運営するハイクラス専門の転職サービス】
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