私は新卒で日系大手グローバル企業へ入社し、26歳で海外駐在を経験しました。いまは日本へ帰国し、別のグローバル企業へ転職し働いています。
これまで海外赴任を通じてアジア、ヨーロッパ、北米、南米、オセアニア、アフリカ、世界中の国々とビジネスをしていましたが、「海外駐在員」は世界のあらゆる場所で戦っていました。
そして私が実際に現地を見てきた中では、
- 海外駐在楽しい
- 日本には帰りたくない
と感じる人がいる一方で、
- 海外駐在員をもう辞めたい、退職したい…
- つらい、きつい…
- 早く帰りたい、途中帰任したい…
と、海外赴任を辞めたい、できることなら途中帰任したい、退職したいと、そう感じている海外駐在員も多く存在していたんですよね。
結論、海外駐在員が辛くて辞めたいなら、早期帰国で辞めても大丈夫です。実際そうしている人はいますし、海外に駐在しながらでも準備を進めることはできますから。
私自身も、海外駐在から帰って転職している立場です。
なので自身の経験をもとに、海外駐在を辞めたい場合の対処法をご紹介しますね。
Contents
駐在員が海外赴任から途中帰任したい・辞めたい・辛い・帰りたい・退職したいと感じる理由
まず、海外駐在員が海外赴任を辞めたいと感じる理由について、経験をもとにあげていきます。
- 環境に適応できない(言語、食事、治安、途上国など)
- 日本の家族、恋人、友人と会えない寂しさ
- 逃げられない人間関係(日本人コミュニティ)
- 仕事がきつい
私が経験したこと、そして周囲の駐在員を見てきたことは上記の通りです。
それぞれ解説しますね。
環境に適応できない(生活環境、言語、食事、治安)
まず多かったのは、環境に適応できないことです。
具体的にいうと、生活環境や言葉、食べ物などの環境が合わないことですね。
例えば発展途上国。東南アジアのカンボジアやラオス、中東のサウジアラビア、アフリカ諸国の駐在員の場合、あらゆる面で日本とは環境が異なります。サウジアラビアはお酒が飲めなかったり、アフリカは日本食が食べれなかったりしますからね。
このように、赴任先の国に適応できず、苦労している人は私の周囲でも多かったですね。
日本の家族、恋人、友人と会えない寂しさ
海外に住んだことがあるならわかるかと思いますが、日本の家族や恋人、友人と会いたいときに会えないことは、かなりきついですよね。
日本の家族や恋人、友人に会えないから駐在を辞めたいという理由は、私の周囲では、特にヨーロッパやアフリカ、南米駐在の方に多かったです。
物理的に遠い国へ赴任している場合、そんな頻繁に日本に帰ることもできないです。ですから、長期休暇で日本へ帰ったあと、赴任先の国へ旅立つとき、「もう駐在員を辞めたい…」と思うことが多かったようですね。
加えて、海外だと時差があります。特にアメリカや南米は時差が真逆なので、電話をしようにも、時差の関係でなかなか時間が合わない、ということもあります。
このように、日本、そして日本に残してきた人と会えない寂しさが理由で、海外駐在を辞めたい人と感じるは一定数存在しました。
逃げられない人間関係(日本人コミュニティ)
意外とこれが1番多いかもしれないです。
海外駐在の場合、赴任している日本人も数も限られます。そのため、仮に合わない人が駐在先にいても、逃げられないんですよね。
特に上司や先輩に合わない人がいたら最悪です。平日昼間はもちろん、平日夜や休日もゴルフや飲みに連れ出されたりすることもありますからね。。
日本だと、仮に合わない人がいても、平日昼だけ我慢すれば済みます。ですが駐在の場合、プライベートの大半を、彼らと過ごすケースが多いです。
もちろん、敢えて日本人コミュニティに属さず、現地の人と交流を深められれば良いです。ですが、駐在員の場合、往々にして日本人で集まる性質があるんですよね。
それに、日本人コミュニティの中には「取引先」がいるケースも多いですから。そうすると、余計に断りづらくなるんですよね。私も取引先との飲み会や集まりはなかなか断れませんでした。
もちろん、それを乗り超えて断る勇気があればいいです。ですが、後先考えて断れず、合わない人間関係で苦しむ、というのは、海外駐在員でうつ病になる人も多い原因の一つですね。。
仕事がきつい
これは所属企業や赴任先によるところが大きいですが、駐在先の中には、仕事量が膨大すぎて、毎日遅くまで働き詰めの人もいます。
例えば、タイなど勢いのある国は、私が見ていても、残業が多い人はたくさんいました。
また、少し前述しましたが、駐在員の場合は日本から来た社内外の人の「接待」も多いです。
そうすると、平日夜はもちろん、土日に観光案内をしたり、ゴルフに連れていったりと、自分の時間を持てないことも多いです。
海外駐在を辞めたい理由はこんな感じですね。
もちろん駐在先の中には、住む環境がよく、人間関係も良好で、接待が少なく、自分の時間を持てるところもあります。
加えて海外駐在は待遇も良いので、そういう環境に赴任した方は、帰りたいとは一ミリも思っていませんでした。
ですが、どこの国に赴任するかは、正直運によるところも大きいです。
だからこそ、自分にどうしても合わない環境であれば、逃げても良いと私は思いますよ。一度きりの人生ですし、我慢して働くこともありません。
とはいえ、いきなり辞める、という選択肢は取りづらいことも気持ちとしてわかります。
なのでまずは今からできる準備を進めていくことが良いですね。
海外駐在員から途中帰任したい・帰りたい・辞めたいと感じた時の4つの対処法
- いまの状態で悩みを解消できないか考える
- 勤務地変更をいまの会社にお願いする
- まず辞めて、日本に帰ってから次を考える
- 海外にいながら転職活動し、決まってから退職する
結論、海外駐在を辞めたいと感じた時の対処法は上記4つです。
それぞれ解説しますね。
1. いまの状態で悩むを解消できないか考える
まずは、自分の悩みを整理し、いまの状態で悩みの解消ができないか考えることですね。
これで解決するなら、一番負担も労力もかからないですからね。
例えば、
- 人間関係が問題⇨関係をよくするために何かできることがあるか考える
- 仕事がきつくて大変⇨もっと効率的に仕事を進められないか考える
こんな感じですね。
いずれにしても、まずは悩みの原因を考え、対処法を考えてみましょう。
とはいえ、日本の家族となかなか会えないなど、日本との物理的な遠さが避けられない駐在員にとって、全ての悩みを、全て解決できるわけではないことも、私は経験からわかります。
ですから解決できない場合は、次以降の選択肢を取る必要があります。
2. 勤務地変更をいまの会社にお願いする
次の選択肢は、いまの勤務地を変えてもらえないか、会社に直接お願いするパターンです。
例えば、
- 赴任先⇨日本への帰任
- 赴任先⇨別の赴任先への異動
こんな感じですね。
もしいまの国が合わないだけなら、上記のように「別の国」へ異動を打診することも一つの手ですね。
私の知り合いの中東とアフリカ駐在員は、厳しい環境が合わず、海外駐在を辞めたいと思っていました。彼らは会社に申し出て、次の異動のタイミングでアメリカとイギリスという先進国に異動していましたよ。
このように、特定の国、環境が合わないだけで、海外駐在員自体はまだ続けたいのであれば、この方法がもっとも現実的です。
言えば可能性はありますし、辞めるくらいなら、ダメ元でも会社に打診した方が良いですね。
同じエリア(例:タイからマレーシアなど)であれば、現地法人の社長の力で、なんとかしてくれるとケースもありますから。
3. まず辞めて、日本に帰ってから次を考える
駐在員自体を辞めたい場合は、日本に帰ることが選択肢になります。
前項の勤務先変更が通用しないなら、「会社に退職を申し出て、まず帰国すること」も一つの選択肢です。
ただ個人的には、精神的、肉体的に病んでいる場合を除き、元気な状態であればおすすめしていない方法です。
なぜなら、会社を辞めずとも、退職に向けて準備できることはたくさんあるからです。
その方法が次のものですね。
4. 海外にいながら転職活動し、決まってから退職する
それが、海外にいながら転職活動をし、次の道が決まってからいまの会社を退職する方法です。個人的には、この方法が一番良いと思っています。
メリットとしては、リスクなく海外駐在員を辞められることですね。
20代の駐在員であればまだ良いですが、30代、40代で家族を養う必要がある方だと、帰国して仕事がない状態は可能な限り避けたいです。
その点、事前に転職先を確保しておけば、収入を途切れさせることなく、転職することができます。
だからこそ、まずはこの方法を第一に考えることが、リスクが少ないおすすめですね。
海外にいながら転職活動はできるの?
結論、できます。だいたい転職活動のうち「80%」くらいのことは、海外にいながらでもできるんですよね。
例えば、以下の転職活動は、海外に住みながらでも進めることは可能です。
- 退職後にやりたいことを考える
- 実際に求人を探す
- 転職エージェントに相談する
- 書類選考を受ける
- 一次面接を受ける(Web面接対応の会社)
上記の通り。さすがに最終面接は日本で直接やることがほとんどですが、それ以外のことは海外にいながらでもできるんですよね。
私が転職した際は、日本に帰国してから面接を受けましたが、海外にいる間から、転職エージェントに相談して求人紹介をしてもらっていました。
また会社によってはWeb面接で一次は対応してくれるところもありました。私も転職活動をしてみて感じましたが、意外と帰国前でもできることは多いんですよね。
海外駐在員の経歴は転職で有利になる
あとこれは私が転職して実際に感じたことですが、海外駐在員の経歴は転職活動で有利になりました。
だからこそ、いまの経験を活かして、より働きやすい環境を手に入れることを目指すと良いですね。
この辺りについては「【結論】海外駐在は転職に有利なの?元駐在員が転職活動をした感想と結果」の記事で詳しく解説したので、興味あればどうぞ。
駐在員のキャリアを活かせる転職エージェント
参考までに、私が実際に使った、駐在員のキャリアを評価してくれた転職エージェントを紹介しておきます。
- JACリクルートメント【グローバル・外資系に強い転職エージェント。ハイクラス求人に強い】
- doda X【パーソルキャリアが運営するハイクラス専門の転職サービス】
結論、上記の2社が良かったです。
高待遇、ハイキャリアの求人を見つけたいなら、JACリクルートメントが一番おすすめですね。JACリクルートメントはイギリスに発祥の外資系転職エージェントです。求人数は少ないですが、厳選されたハイクラス求人に出会えるのはJACリクルートメントでした。質重視なら、JACリクルートメントがNo.1ですね。
同じく高待遇、ハイキャリアの転職ならdoda Xも併用しておくことがおすすめです。doda Xは海外駐在経験を活かし、日本で働けるハイクラス求人も豊富です。
転職エージェントは無料で使える
上記2つの転職エージェントもそうですが、転職エージェントは採用企業側がお金を払うビジネスモデルです。そのため僕たち利用者は「無料」で全サービスを使うことができるんですよね。1円もかかりません。
無料にもかかわらず、あなたの経歴を活かせる進路のアドバイス、企業との面接調整、面接対策まで、全部エージェントが代わりにやってくれます。
だからこそ、転職エージェントは使い倒さないと勿体無いんですよね。僕たちにリスクは一つもなく、それでいてメリットが大きいからです。
これは誤解されがちですが、転職エージェントは今すぐ転職する気がなくても、情報収集で使っている人が大半です。
それに。いまの会社にもバレないような仕組みになっています。なので、安心して登録し、相談してみると良いですよ。
そうすることで、いまはまだ見えていない未来の選択肢が、ちゃんと見えてきますから。
まとめ:海外赴任を辞めたいなら辞めてOK
記事の内容をまとめます。
- いまの状態で悩みを解消できないか考える
- 勤務地変更をいまの会社にお願いする
- まず辞めて、日本に帰ってから次を考える
- 海外にいながら転職活動し、決まってから退職する
結論、この4つが対処法です。
述べてきた通り、いまの会社で悩みを改善できるなら、まずは改善すると良いです。それでも、どうしても改善できないことも、海外駐在員の場合は特にあるかと思います。
それでも、いまの会社が人生の全てでは絶対にないですよ。
だからこそ、転職エージェントに相談するなりして自分の選択肢と視野を広げて、自分の道をもう一度考えてみることが良いですね。
そうすれば、いまはまだ見えていない未来の選択肢が、はっきりと見えてくるようになりますから。駐在員のキャリアがあれば、あなたがまだ知らないだけで、良い道はたくさん残されていますよ。
私自身、帰国後に転職してから、いまは毎日ストレスも少なく幸せです。周囲で行動した駐在員もみんな幸せそうですよ。
経験をもとにそう感じました、海外駐在を辞めたいなら、まずは行動し準備することが何より必要かと思います。
- JACリクルートメント【グローバル・外資系に強い転職エージェント。ハイクラス求人に強い】
- doda X【パーソルキャリアが運営するハイクラス専門の転職サービス】
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